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そんな家庭に生まれた子どもは、通塾経験なしで公立中高一貫校に合格。
高校2年以降定期テスト理系1位継続、及び学年1位獲得。
高校3年1学期通知表評定学年1位。
英検対策なしで準1級取得。
2024年東大受験に塾なしで挑みます!
そんな息子を育ててきた父親の体験談です。
父親とは一体何なんだろう?
生物学的には、子どもの遺伝的な半分を提供する人物とのことだが、私が言っているのはそういうことではない。
子どもにとって父親とはどうあるべきで、どのような存在なのだろう?
社会的、感情的、教育的な側面から見る父親。
父親を知らない私は、自分が思う”理想の父親”をずっと探し求めてきた……
痛みの共有
自分の時間を全て息子のために使うと決めた私は、息子が小学校に上がるのをきっかけに38年間慣れ親しんだ土地を離れることにした。
これには主に2つの理由があったが、1つは小学校在学中に転校させたくなかったこと。
これは親の仕事の都合で仕方ない場合もあると思うが、できれば避けたい。
幸い私の仕事は転勤があるようなものではなかったので、ならば小学校に入学する前に引っ越しをして、息子の環境づくりに集中したかった。
もう1つは根本的に自分自身を変える必要があったこと。
私のことなど誰も知らない土地で子育てだけに集中する。
それには今までの交友関係を断ち切る必要があった。
引っ越し先も教えず、友人との交友も切り、恒常的に続く生活を一変させる。
必要なのは息子のための環境であって、私のための環境ではない。
息子にとって害のある存在が私であってはならないので、息子の将来だけを考えた生活をする必要があった。
そしてこの日以降、私は友人と遊ぶということもしなくなり、会うことも電話をすることもなくなった。
息子が小学校へ入学する前に学校での過ごし方を教えた。
何のために小学校へ行くのか?
小学校とは何をするところなのか?
そこで自分は一体何を学び、どういった生活を送ればいいのか?
集団登校の在り方や登下校の時間の使い方、休み時間やお昼、そして授業の受け方も、小学校という場所で過ごす時間を細分化し、そこで自分がやるべき行動を全て把握させた。
家庭では宿題や自学の習慣化を行い、地域の行事にも積極的に参加し、習い事にお金を掛けられない代わりに、近くの公園に行っては運動や走る練習を毎日一緒に行った。
5年生からは陸上記録会に出場し、多くの挫折を味わいながらも、市で1位、県で2位となり、日々の努力は目に見える結果として表れることを体験した。
そこから頻繁にクラブチームの勧誘があったが、親子だけで取り組むことに価値を置いてきた私達は、それらを全て断った。
目的はクラブチームに属して活躍することでも、陸上に全てを注ぐことでもない。
将来に渡り生きる力を備えるため、体験を通してやり切る力(努力ができる)を身につけることだ。
そこに外的要因は必要なく、むしろクラブチームに合わせた生活になることは明白で、そうなってしまっては、本来の目的から大きく外れてしまう。
私が見ているのは一貫して息子の将来の姿であって、一時の見た目ではない。
そこには見栄も自慢も必要ない。
外見よりも内面に備わる力を求め続けた。
学力の後伸びは、体験を通して”非認知能力”を高めていくことで得られる。
社会の仕組み、学校の存在、地域の役割、そして家庭で行うべき教育の在り方。
これらをどう理解し、子どもに教え、あらゆる教育の基盤を作っていけばいいのか?
私はお金を求める代わりにそれを追求してきた。
そして、その考えを持たせてくれたのも、成長する機会を与えてくれたのも、小さな手で私の指を握り信じ続けてくれた息子がいたからで、私が今も生きているのは息子のおかげだ。
その息子のために私ができることがまだあるはず……
東大という日本最難関大学を目指している息子に、私のような低学歴が言えることなんて何もないと思うだろう。
しかし、私はいつだって息子のために考え悩むことを止めはしない。
それは何故か?
それが私にできる唯一のことだからだ。
私は、世の中で成功している多くの人が、その裏側でとてつもない努力をしていることを知っている。
自分に厳しく、愚直なまでに高い志を持って行動していることも知っている。
しかし、人はどこかで楽をしたがるもので、なかなか自分に厳しくできないものだ。
それでも、最終的に苦労するのは”自分自身”だということを私は自分の経験から身を以って知っている。
できる人とできない人の差が”そこにある”ことも知っている。
だから、その大切さを息子にずっと伝え続け、厳しさを分かち合い、共に歩んできた。
息子の苦しみは私の苦しみだ。
そうやって親子で成長できたことを感謝し、今日も私は息子に何ができるかを考える。
まだ何か出来ることはないか?
俺はこの子に何を伝えることができる?
まだ何かできることがあるはずだ……と。🈡
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