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そんな家庭に生まれた子どもは、通塾経験なしで公立中高一貫校に合格。
高校2年以降定期テスト理系1位継続、及び学年1位獲得。
高校3年1学期通知表評定学年1位。
英検対策なしで準1級取得。
2024年東大受験に塾なしで挑みます!
そんな息子を育ててきた父親の体験談です。
父親とは一体何なんだろう?
私は父親を知らず育ってきた。
会話をすることも、体験を通して学ぶこともなかったので、父親とは一体どうあるべきかが分からなかった。
自分が父親になるという実感もないまま息子が生まれ父親となった私は
”何ができるのだろう?”
と、ずっと考えてきた。
父親として、一体自分に何ができるのだろう?
学力もなければお金もない。
何の力も持ち合わせていない自分に、一体何ができるのだろうと……
4ページという私の価値
遠い昔に社会から取り残された感覚に陥ったことがある。
それは、今から30年以上も前のこと、高校卒業間近の出来事だった。
通っていた学校は大学進学より圧倒的に就職が多く、秋になると高校生活3年間の評価が高い子から順番に就職先が決まっていった。
学校生活をまじめに頑張ってきた子は就職先のリストも多く、優先的に選ぶことができるが、頑張ることをしなかった私には、薄っぺらい冊子が手渡されただけだった。
冊子を開いてみるとページは4枚ほどで、そこに書かれていたのは、わずか10社ほどの名前も知らない小さな会社だった。
ほぼ全てが製造業(車の部品や食品加工)で工場勤務。
選ぶというより、機械部品がいいか、食品がいいかの選択でしかなかった。
どっちにしても大差なく、どちらにしてもやりたいことでもなんでもない。
判断材料も、家から近いか、勤務時間や給料といったものだけだった。
そもそも自分が何のために存在して、これから何をすればいいのかも全く分からず、ただ毎日を過ごしているだけ……
好きなこともやりたいことも見つからず、無駄に時間を過ごしは惰性で生きているに過ぎない。
クラスの子達は、他人のリストを見ては数の多さに羨んでいるが、与えられた枠の中で泳いでいるに過ぎず、本質的には何も変わらないことに気づきもしない。
4ページが8ページになったところで、上限が決まっている以上その中で選ぶことしかできず、選択肢が無限にあるわけではない。
自らが掴み取るという本質とは全くもって異なるため、所詮「就職先が決まって良かったね」でしかなく、辞めてしまえばもっと過酷な現実を突きつけられてしまう。
手にしているわずか4ページのリストは”私の価値”という変わることのない現実で、これから先も10の企業名が変わっても、ページ数が増えることもなければ待遇が良くなることもない。
私に示されたのは、世の中に何百万とある企業のうちの、わずか10社だけという現実。
それでも、これが世の中というもので、決して抗うことのできない運命なんだと、無知な私は何ら疑うこともなかった。
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