身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ~底辺家庭の東大受験~ 

塾なし公立中高一貫校合格。2024年塾なし【東京大学】受験。低学歴・低所得家庭の挑戦

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東大受験を塾なしで挑む!保護者からの相談【勉強する理由③】~特別扱い~

 

子どもから勉強する理由を聞かれた時は何て答えましたか?

 

特別扱い

 

三番目の実例

 

会社の通勤途中で小中学校や高校の近くを通るのですが、よく校門の前に車が並んでいるのを見掛けることがあります。

 

(どの学校にも一定数は送り迎えしている親がいるんだなぁ……)

 

なんて思ったりして眺めています。

 

特に雨の日なんかはちょっとした渋滞が起きていることもしばしば……

 

いや、別にこのような家庭を全否定しているわけではないですよ。

 

それぞれの家庭にそれぞれの事情がありますし、怪我や病気のためとか、やむを得ない理由というものはどうしたってありますから。

 

一括りにしてはいけないことも、他人がとやかく言う筋合いがないのも理解しています。

 

それを踏まえて、今回はこのようなご家庭のお話になります。

 

 

このご家庭の子どもは、家から30キロほど離れた高校に通っていました。

 

30キロも離れているんですから、当然歩いていくのは不可能です。

 

自宅から最寄駅までは自転車で行き、そこから電車に乗って学校近くの駅に着くと、駐輪場に止めてある新しい自転車に乗って学校まで行きます。

 

自宅(自転車)→最寄り駅(電車)→学校近くの駅(自転車)→学校

このようなルートですね。

 

電車は年間の定期券を購入し、2台の自転車を止めておくために各駅近くの駐輪場を年間契約したとのことでした。

 

通学に片道1時間以上掛かりますが、さほど珍しいことではありません。

 

自宅から学校に通う交通手段がそれしかなければ仕方ないですし、もっと大変な思いをして通学している子だって大勢います。

 

その学校にどうしても行きたいという強い思いがあるのなら我慢するしかなく、距離や時間を考えるなら、なるべく家から近い学校を選べばいいだけです……

 

 

現実とのギャップ

 

この子は特別推薦で入学しました。

 

特別推薦入試は、文科系やスポーツ系の優秀な生徒を選抜するものですね。

 

この高校の○○部は全国大会を狙うほどの強豪で、学校側も優秀な人材が欲しく、中学での全国大会出場という実績が買われて合格したということです。

 

高校に入学すると、新しくできた友達と電車の中で話をしたり、学校まで一緒に行くようになって、今までとは違う環境にも少しずつ慣れてきました。

 

学校からも期待され、本人も勉強と部活の両立を目指して希望を胸に学校へ通っていましたが、全国大会を本気で目指している学校なので、当然のことながら部活の練習はもの凄く厳しいです。

 

この子は特別推薦と中学の実績で勘違いしてしまったようです。

 

自分は【特別扱いしてもらえる】と思っていたようですが、実力の世界にそんなものはありません。

 

ここでは中学の実績を鑑みてくれるような環境はなく、全員が対等の関係なのです。

 

朝練に授業、放課後の練習は21時頃まで行われ、自宅に帰ってくるのは22時過ぎです。

 

基本的に土日も練習や大会がありますので休みもありません。

 

そのような状況の中で、入学して半年ほど経ったある時から、朝起きるのが辛いという理由で、親が学校まで車に乗せて送るようになったんです。

 

同じ部活の同級生で中学時代に全国大会を経験しているのはこの子だけです。

 

それなのに

「なんで他の子達と同じ練習をしなければいけないんだ。他の誰も全国大会に出ていないじゃないか!」

自分が一番凄いんだ。自分が一番偉いんだ。だって、その力が認められたから特別推薦で選ばれたんだぞ!

このように思っていたんですね。

 

しかし、現実は自分が想像していたものと大きく違い、誰からも持ち上げてもらえずに嫌気がさしてしまったんですね。

 

それでも、部活を頑張るのが大前提の特別推薦ですから、辞めるわけにはいきません。

 

親の役目

 

そこで親が毎日送り迎えするようになってしまったというんです。

 

片道1時間以上かけての通学と朝練に夜遅くまで部活を頑張っていれば、朝起きられないほど疲れているのは分かります。

 

しかし、それを踏まえた上で、子どもが一人で3年間やり切らないと、社会に出てから一体誰が同じように面倒を見てくれるのでしょう。

 

誰が起こして、誰が職場まで送ってくれるのでしょうか?

 

いや、社会人になったのはいいが、そんな初歩的な自己管理もできないのでは、先が思いやられます。

 

親が協力するのは当たり前ですが、必要以上に手を貸してはいけないんですよ。

 

親は子どもを社会に送り出す責任があるんです。

 

だから、自立させるためにも

「学校に通う経験を将来自立させるための経験にしなければいけない」んですよ。

 

というか、そのシチュエーションを無駄にはできないんです。

 

それから、この子は車で送ってもらえるのが当たり前になり、毎日同じ電車で一緒に通っていた同級生とも関わらなくなってしまいました。

 

寂しいことですね。

 

毎日親に送り迎えをしてもらっている姿を見て、この友達はどう思ったのでしょう……

 

こうなってくると学校生活そのものに意味がなくなってしまいますよね。

 

友達と一緒に話をしながら学校に通う。

 

これもその時にしかできない大切な経験ですし、協調性ということでも大事なことなんですけどね……

 

それと、もうお分かりだと思いますが、電車の定期代も駐輪場のお金も新しい自転車代も全てが無駄になってしまいましたよね。

 

楽をさせるのが親の役目ではないです。

 

環境を与えてあげるのが親の役目なんですよ。

 

子ども一人の力で頑張れば越えられるくらいの壁を作り、万が一の時にはいつだって支える姿勢を持つ。

 

そうやって親子のバランスを取ることが大事なんですよね……