子どもから勉強する理由を聞かれた時は何て答えましたか?
親の賢さ
現実の生き方
保育園、小学校、高校と、三つの実例を紹介しました。
この話を聞く前と聞いた後を比べると、何か心境の変化はありましたか?
「そうですね……三つのお話に共通して感じたことは、親が子どもに与える影響の難しさですかね……」
そうですよね。
子育てって難しいんですよ。
マニュアルがあるわけでも正解があるわけでもないですから。
私の話になりますが、私は息子が生まれてから、子育ての終了というものを息子が私達から離れる時だと決めました。
そうです。それは18歳という年齢になり高校を卒業した時になります。
すなわち、自分で将来を見据えて大学を決めるまでは、私の責任の元でしっかり育てると決めたんです。
ですから、あなたから聞かれた
【子どもから勉強する理由を聞かれた時は何て答えましたか?】
を正確に答えるのであれば
【聞かれたことがない】
で話は終わりだったんです。
しかし、せっかく相談していただいたのに、それで終わってしまったらあんまりですし、何の意味もなかったでは元も子もないので、このような実例を紹介させていただきました。
厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、子どもからそう聞かれた時点で日常的にその大切さを教えるような接し方をしていないということですよね?
勉強する理由が分からないから疑問に思って聞いてきたのか?
やりたくないのに勉強を押し付けられるから聞いてきたのか?
子どもの真意がどこにあるか分かりませんが、私自身がやってきたことで言えることは、自分の人生に後悔していることも、世の中の冷たさも、生きていくことの厳しさも、全て包み隠さず息子に伝えてきたということです。
息子が幼い頃から年代に合わせた教え方をしてきましたが、物で釣るとか、いいことを言ってその気にさせるとか、そんな上っ面だけでどうこうしようとしたことは一切ありません。
私はいつだって
【現実の生き方】
というものを教えてきたんです。
自分自身の経験から、その時々で意味のある行動を起こさないと先がどうなってしまうかが分かってしまいます。
だって、分かりやすい見本が目の前にいるのですから……
そのような経験を子どもにも分かりやすく伝えてきたことが、一番大きかったのではないでしょうか?
親が真剣になれば必ず子どもに伝わります。
ですから、真剣に子どもの未来を案ずるのなら、まずは親が【覚悟】を持ってください。
別路線
その上で、毎日子どもと接し日々の行動や発言の中に
【勉強をすることで得られる効果】
の話を混ぜるんです。
実用的なことで言えば、購入する商品が書かれた紙とお金を渡して一人で買い物をさせるとか、簡単な旅行の計画を作ってもらうとか、お金を掛けなくても必要な力を付けることはできるんですよ。
日々このようなことをやっていれば、その行動自体が勉強になっていくのです。
今、言ったことでさえやったことありますか?
ないですよね。
子どもにはまだ早いとか、そもそもそういう発想に至らないとか、理由は色々ありますが、人はやらないからできないのであって、人がやらないことをやるから差が生まれるんです。
そして、そこにはお金が掛からないんですよ。
ウチが塾にも行かず公立中高一貫校に合格したことを驚く親御さんが多いですが、このように学校以外のプラスαをずっと求めてやってきたんです。
ウチはお金を使う勝負では勝てませんから、別の路線を歩く必要がありました。
それは周りの家庭がやらないことで、一つひとつの体験から学んでいくこと。
そのために私は息子と並走してきたんです。
先ほどの三つの実例のように、多くの親は子どもの苦労を自分の苦労と思い、世の中の楽な仕組みに乗せたがります。
楽な道を考えてあげるのが親の賢さではありません。
子どもを伸ばす最適な道を考えるのが親の賢さなんです。
厳しく言ったり、偉そうに上から目線で言ってしまい申し訳なかったのですが、必要なのは親御様の意識改革なんだということを伝えたかったんです。
意識を大幅に変える必要があるのですが、そう簡単に変わるものではありません。
だから必死に考えて悩む必要があるんです。
失敗してもまた考えればいいんですよ。
目的を持って行動することが大切なんです。
ほんの小さなことでも、ほんの些細なことでもいい。
例え目的が達成できなくとも、その過程でやってきた行動によって、確実に前へと進んでいきます。
これも習慣なんです。
少しずつ考えるという習慣をつけ、恐れずに行動していきましょう。