※本記事はお金を掛けなくても学力を上げようと、様々なアイデアの中から実践してきた【方法】であり、息子の礎を築いてきた大変重要な情報となっております。
※この記事には個人の見解が含まれております。
教育は学校と家庭学習の両輪で回す!
学校と家庭学習のみで公立中高一貫校に合格。
高校2年以降定期テスト理系1位継続、及び学年1位獲得。
高校3年1学期通知表評定学年1位。
英検対策なしで準1級取得。
2024年東大受験に塾なしで挑む!
そんな息子を育ててきた父親の体験談です。
私の記事を読んでくれている皆さんは、子どもの教育に対する関心が強い方々だと思います。
私の記事は、自分自身が子育てで実践してきたものや感じたことなどを書いているのですが、その実績が上記の
【本記事の信頼性】
に書かれたものとなります。
この実績に価値がないと思う方や信用できないと思う方は、私の記事で得られるものはありませんので、自分にとって価値のあるやり方や信用できると思うやり方を実践してください。
私は教育業界を生業としているわけでも、世間一般でいうところの教育のプロでもありません。
学校の先生でも塾の講師でもありませんし、過去に携わってきた経験もありません。
ただ単に、父親のいない貧困家庭に生まれた私が自分の求める【理想の父親】を目指し、子育てをしているだけです。
私は学力だけが教育とは見ていません。
様々な体験や平凡な日常から多くを学ぶことで、人間社会で生きていくための器を大きくし、自らの可能性や選択肢を広げるために学力が必要なのです。
これらの価値観を子どもに与えるのが親の役目であり、その重要性を子どもに理解させていくのが親の努めです。
親が主体性を持って子育てをすることが最も大切なことであり、短絡的に学校や塾に責任転嫁するものではありません。
誰かが提唱した方法を前のめりになって、周りと差が付くやり方を手に入れたと錯覚を起こしたり、それをやれば絶大な効果が出ると勘違いしたり、他人に任せても楽をして力を得られる魔法など存在しませんし、物事の本質というものはいつだって地味です。
それらは本来、親子で学んでいくもので、初めて親になった人は全員が素人です。
子育ての子の字も知らなくて当然ですし、育てていけるか不安になるのも当然です。
だから、親も多くを学び子どもと一緒に成長する必要があるのです。
このブログは、そんな考えを持って他人に頼ることをせず、子どもに教えられ成長してきた一人の父親が書いているものとなっております。
その点を考慮し、参考にできるものがありましたら、ぜひご活用していただければと思います……
夏休み期間中の具体策
本当に年が経つのは早いもので、半年後の1月には共通テスト、そして2月には国立大学の個別試験を向かえます。
受験生ということで本人の勉強はもちろんですが、この夏休み期間中は私達【親】にとっても大学受験+それ以降に向けてやらなければいけないことが多くありました。
今回の記事は、塾なしで東大受験に向かう息子が、高校生活最後の夏をどのように過ごしたのか?が書かれています。
私達親子が東大受験に挑戦するため、どのように考え、どのような行動を起こしているのか?
より具体的に踏み込んだ内容となっております。
塾なしで東大に挑戦する家庭、また、東大に限らず自学のみで大学受験に向き合っている家庭の参考にもなると思いますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
実施策
1.夏休みのスケジュール(時間割)作成
2.試験日の宿泊場所確保
3.東大生協の資料請求
4.私立、国立後期の出願確認
5.出願する科類の選択
6.二次試験の戦略←←←今回はココ
7.今後の学習方法
6.二次試験の戦略
国公立大学の一般選抜は、1月に行われる共通テストと2~3月に行われる二次試験(個別試験)の合計得点で判定されます。
一般選抜の注意点として2段階選抜が挙げられます。
これは「共通テストの成績で二次試験の受験者を選抜しますよ」というものです。
2段階選抜の実施方法は各大学で異なりますが、多くの場合は募集人員に対して志願者の人数が〇倍以上となった場合、【第1段階選抜を実施する】というものですね。
この辺りはご存知の方も多いと思いますが、念のため東大の2段階選抜を見てみましょう。
入学者の選抜は、学力試験(大学入学共通テスト及び第2次学力試験)、及び調査書によります。
入学志願者が次の各科類の募集人員に対する倍率に達した場合は、大学入学共通テストの成績により第1段階選抜を行い、第1段階選抜合格者に対して第2次学力試験を行います。
また、理科三類入学者の選抜においては、上記に加え、面接試験の結果を含めて総合的に判定し、将来、医療や医学研究に従事するのにふさわしい資質を持った受験者を、合格者とします。
※出典:東京大学ホームページ一般選抜より
このように東大も2段階選抜を採用していますが、設定された倍率はどのくらいなのでしょうか?
令和6年度において、教養学部に入学を許可する学生の募集人員と第1段階選抜を実施する場合の倍率は以下の表になります。
【各科類の募集人数と倍率】
各科類によって倍率が決められており、志願者数が倍率の人数に達すると共通テストの成績で二次試験の受験者を決める第1段階選抜が実施されます。
息子が出願する理科一類を例としますが、募集人数1,108人に対して、志願者数が2.5倍の2,770人に達すると、第1段階選抜である【足切り】が発生します。
これはほぼ毎年実施されていますので、第1段階選抜を突破するためには共通テストの点数がとても重要になります。
(倍率の人数に達しない場合は志願者全員が二次試験を受験し、共通テストと二次試験の成績合計で合否が決まります)
では、足切りに引っかからないようにするためには、共通テストでどの程度の点数を取る必要があるのでしょうか?
と、まずはそれを知る前に、共通テストとはどのようなものなのかを簡単に説明します。
大学入学共通テスト
【大学入学共通テスト】は、例年1月中旬になるとテレビなどでもよく報じられますので皆さんご存知かと思いますが、ここではその仕組みを見ていきたいと思います。
その昔、大学受験は各大学が実施する個別試験(現在の二次試験)のみで合否を決めており、それぞれの大学が独自の問題を作って試験を実施していました。
各大学は優秀な学生が欲しいので、突出した力を判断するために、難問や奇問と呼ばれる問題で学力を競う傾向が強まっていきます。
実施内容はそれぞれの大学で決めていましたので、高校の範囲からはみ出す特徴的な問題が多く出題されるようになると、本来の学力試験とはかけ離れたものとなってしまいます。
国は国民に平等な学力を付けようと学習指導要領を制定しましたが、そこからはみ出してしまっては意味がありません。
そこで「高校までにどれだけ学んできたのか?」をしっかりと見るために、全国共通のテストで判断しようと考えました。
これが現在の共通テストの始まりである【共通一次試験】と呼ばれるもので、共通一次試験を受けてから大学独自の個別試験を受けるという2段階選抜試験の仕組みが生まれたのです。
共通一次試験は1979年~1989年まで採用され、国公立大学を志望している学生に対して、基礎学力を測るための共通試験となりました。
その後、私立大学では受験できなかった共通一次試験は、多様な入試形態に合わせる形で1990年~2020年まで【大学入試センター試験】となりました。
センター試験は高校の学習指導要領に基づく、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科30科目で構成され、国公立大学では5教科以上、私立大学では2~3教科と大学・学科が指定する教科・科目を選んで受験します。
そして、約30年間続いたセンター試験を踏襲する形で、2021年~現在にかけて高校までの基礎的な学習の達成と単純な知識だけではなく、思考力・判断力・表現力などを問う問題形式となった【大学入学共通テスト】が行われているのです。
【大学入学共通テスト】
共通テストは6教科30科目あり、国公立大学の一般選抜では必須となっています。
解答方法はマークシート方式ですが、問題は知識や暗記に頼ったものではなく、思考力や判断力が求められますので、日常の学習もより深く理解する意識が必要です。
東大の共通テスト
それでは、東大の共通テストの位置づけはどのようなものなのか?見ていきたいと思います。
東大では、文科科類が5教科8科目または6教科8科目、理科科目が5教科7科目を選択して受けなければなりません。
【文科科類で多い選択パターン】
【理科科類で多い選択パターン】
上の表は一例ですが、このように文科・理科どちらも必須科目があり、それ以外は選択して試験を受ける必要があります。
これらの配点を全て足していくと、文科・理科どちらも900点満点になりますが、東大ではこの900点満点を110点満点に圧縮換算します。
換算方法は、自分の合計点数÷900×110で出せますので、例えば共通テストの合計が720点だったとすると
720÷900×110=88点となります。
では、実際に東大の共通テストは、どの程度の点数が取れれば第1段階をクリアできるのでしょうか?
2023年度の第1段階選抜で説明します。
※文科三類は志願者の数が募集人員の倍率に達しなかったので、第1段階選抜は行われていません。
足切りは科類によってバラバラですが、平均点を見ると8割を超えている科類がほとんどなことから、8割以上取れば足切り突破は確実といえるでしょう。
ちなみに理科三類を見ると、共通テストは足切りさえ免れればよくて、勝負は【二次試験】と考えている人が多いと推測できますね。
足切りや平均点を見てどう思いますか?
意外に低いと思うか、高いと思うか……
求められるのは、文科科類が5教科8科目または6教科8科目、理科科目が5教科7科目を受けての合計点です。
足切りは、文科二類で50%の454点、理科二類に関しては79%ですので711点取る必要がありました。
454点の圧縮は55点、711点の圧縮は87点となり、科類は異なりますが、共通テストの点数差は257点であるのに対し、圧縮後の点数差は32点しかありません。
これは二次試験で逆転が起きる点数差ですので、このことからも勝負は二次試験だということが分かると思います。
二次試験
東大は共通テストと二次試験の比率が1:4となっており、共通テスト110点・二次試験440点の合計550点満点で判定します。
二次試験の科目と試験時間(配点)
【文科一・二・三類】
【理科一・二・三類】
これを見れば分かると思いますが、東大の難しさは何と言っても要求される試験科目の多さにあります。
共通テストでは、文科科類が5教科8科目または6教科8科目、理科科目が5教科7科目を要求され、二次試験では文理共に4教科5科目が課せられます。
高校までに学ぶ主要教科は全て受けなければならないということが、難易度を上げている要因の一つでしょう。
もう一つが、問題数の多さと時間です。
特に英語は2時間ありますが、分量が多いので時間が余るということはありません。
最後に、問題の質が高いことです。
「東大なのだからそんなの当たり前だろ!」と思うかもしれませんが、東大の基本方針を読んでください。
東京大学の入試問題は、どの問題であれ、高等学校できちんと学び、身に付けた力をもってすれば、決してハードルの高いものではありません。
第一に、試験問題の内容は、高等学校教育段階において達成を目指すものと軌を一にしています。
第二に、入学後の教養教育に十分に対応できる資質として、文系・理系にとらわれず幅広く学習し、国際的な広い視野と外国語によるコミュニケーション能力を備えていることを重視します。そのため、文科各類の受験者にも理系の基礎知識や能力を求め、理科各類の受験者にも文系の基礎知識や能力を求めるほか、いずれの科類の受験者についても、外国語の基礎的な能力を要求します。
第三に、知識を詰め込むことよりも、持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さを重視します。
※出典:東京大学ホームページ、アドミッションポリシーより。
このように、高校まででしっかりと学んでいれば決してハードルは高くないと言っていますが、第三にあるように
知識を関連づけて解を導く能力の高さ
これがものすごく難しいんです。
今まで培ってきた【大きな引き出し】の中にある【小さな引き出し】の更に奥の知識を持ちより、解に至るまでの思考回路を作り出していく。
必要な知識を関連づけて考えるというのは、文章によって何が問われているのかを正確に理解し、広い視野と問題意識の深堀り、そして洞察力も必要になります。
日常では【本質】を追求する機会は全くないので、いかに問題を通して東大らしさを理解していくかが大事だと思います。
合格ライン
東大の二次試験は440点満点ですが、一体何点取れば合格に近づけるのでしょう?
以下に2023年度の合格者科類別成績をまとめましたので、そちらを見てみましょう。
【2023年度 東京大学 一般選抜 合格者科類別成績】
※点数は共通テストの圧縮点と二次試験の合計となっています。
息子が出願する理科一類で話をしていきます。
仮に第一段階選抜(足切り)の得点543点と合格最低点314.9778を取った人が同一人物だとして考えてみると
合格最低点314.9778-圧縮点66.3=248.6778となりますので、この方の二次試験における点数は約249点取っていることが分かります。
二次試験は440点満点ですので、得点率にすると約57%となります。
これは共通テストの足切り点と二次試験最低点との合計による推測ですので、単純に層が多いと思われる共通テスト平均と二次試験平均の合計を見て見ましょう。
共通テスト平均が764.91であることから、圧縮点は93.489点となります。
続けて二次試験の平均は345.1978点ですので、圧縮点を引くと約252点となり、得点率は約58%です。
これがオーソドックスな形だとすれば、共通テスト約85%・二次試験約58%の得点を取ることができれば合格の可能性は高くなるでしょう。
様々なことを加味すると、共通テスト720点の80%(圧縮点88点)二次試験264点の60%
を目指すのが一番現実的かと思います。
二次試験の概要(科目別)
それでは、二次試験における具体的な出題傾向や内容、配点などを科目別に見ていきましょう。
【英語】(正確には外国語の英語選択です)
英語は文理どちらも同じ内容となっていますが、内容は以下のとおりとなっています。
※配点は模試のものであり、正式な公表はされていません。
東大英語の難しさ(全ての科目に言えますが……)は、何と言っても時間に対しての問題量です。
上の表に書かれた内容を2時間で解くというのは、正確で素早い処理を数分単位で求められるということです。
試験開始から45分後にはリスニングの音声が流れ、そこから30分はリスニングに時間が取られることから、前半45分の使い方とリスニング後の75分をどう使うかが重要となりますので、それぞれの時間配分がとても大切です。
【国語】
※配点の正式な公表はされていません。
国語は難易度によるバラつきが小さいので、差がつきにくい科目です。
現代文に関しては、得意な人と苦手な人に分かれると思いますが、古典は比較的安定して取れるとのことなので、ここでしっかりと得点できるようにしたいですね。
【数学】
※配点の正式な公表はされていません。
※頻出分野は、あくまで過去の傾向から出題が多いものを記載しています。
数学は大問ごとに出題される分野が決まっているわけではなく、上の表に記載した頻出分野が必ず出題されるとも限りません。
更に数学は安定しない教科であり、最も差がつきやすい教科でもあります。
その年の難易度によって点数が取れる時と取れない時の差も生まれやすく、頻出分野の傾向はあっても、問題としては全て初見で解くことになります。
しかも解答は全て記述ですので、最も難易度が高い教科と思われます。
【理科】
※配点の正式な公表はされていません。
理科に関しては大問ごとに出題される分野が決まっており、上の表に記載した頻出分野から出題されます。
(物理の熱力学が波動になるケースが稀にあります)
理科は出願時に自分が選択した2つの科目を時間内に解きますので、2時間30分で2科目という形になっています。
これら二次試験の概要が分かったところで、実際に合格するための目標点を決めなければなりません。
東大受験は共通テストの成績(圧縮点110点)と二次試験(440点満点)の合計550点満点で判定されますので、まずは共通テストをどう考えるかです。
足切り突破程度でいいのか、目標点や得点率を明確に決めるのか。
現実的な考えから決めていかなければなりません。
そこで話し合って決めたのが、共通テストは9割を目標にする。
900満点中820点取れれば圧縮後100点となるので、具体的にはそこを目指します。
ここが決まれば、後は二次試験の点数をどう決めていくか?です。
二次試験は2023年度の平均点で見た場合、345.1978-圧縮点100点=245.1978点となりますが、共通テストで確実な点が取れなったケースや余裕を持たせることを考えれば、最低でも260点は死守したいですね。
では、それぞれの科目で何点取るべきか?何点取れるのか?を具体的に考えていきます。
科目別得点戦略へつづく……