道端に咲くたんぽぽのように
4月になると、ピカピカの黄色い帽子をかぶった新1年生を見る
通学路を歩く人数は年々減っても、この光景は今も昔も変わらない。
班長さんの後ろで周りをキョロキョロ見ながら歩く子。
ふらふらしながら列を乱す子。
うつむきながら歩いている子。
どの子にしても、一つとして同じものはない。
あどけない多くの個性に、たくさんの人が関わって、見守りながら育てていく。
この何気ない日常を目にするたび、こう思う……
この子達は、まるで、たんぽぽのようだと。
たんぽぽは野草で春の花。
太陽の下で黄色く咲いた花言葉に「真心の愛」と「幸せ」がある。
嘘のない素直な心からの愛情。
それを持ち続けた先にある幸せ。
たんぽぽは、どんな場所でも花を咲かせることを決してあきらめない。
どれだけ踏まれようと、葉をちぎられようと耐えられる。
たくさんの光を浴びた花が咲き終わると、綿毛(種)になって飛んでいく。
風に乗って遠くまで飛ぶこともあれば、目と鼻の先に着地することもある。
アスファルトの裂け目に潜り込んでも、石だらけの土の上に落ちても、
辛抱強く耐えながら、やがて花を咲かせる。
綺麗な場所で咲くこともあれば、人知れぬ場所でひっそりと花を咲かせることもある。
それでも、どんな場所でも花は咲く。
場所が問題なのではない。
環境が問題なのではない。
花を咲かせることに意味があるのだ!
何もせず綺麗な花が咲くことはない。
どの子も、人の目に映る場所を気にするのではなく、見えない場所で辛抱強く耐えるから綺麗な花が咲くのだと知ってほしい。
そして、多くの親がこの大切さを子どもに伝えてほしい。
黄色い帽子はたんぽぽの花。
今日という日は小学生のスタートライン。
そして、誰もが同じスタートラインに立っている。
道のりは険しくても、たくさんの光を浴びて、一人ひとりが自分という綺麗な花を咲かせてほしいと思う。