東大受験に塾なしで挑む!底辺家庭の子育て体験談
序文
取り返せない過ち
息子は東大受験に挑みます。
東大志望の受験生は毎年1万人ほどいますので、これだけを聞いてもさほど珍しくはないでしょう。
しかし、こう聞いたらどうでしょうか?
私は父親のいない貧困家庭で育ち、自らも低学歴・低所得となりました。
私と結婚した妻も育った環境は違えど同じ低学歴・低所得ですので、早い話が似たもの夫婦です。
そんな私達の元に生まれてきた命を目の当たりにした時、取り返しのつかない後悔に襲われました。
私達夫婦は勉強を教えてあげることもできなければ、教育に掛けられるお金がありません。
【このままでは、この子は生まれながらに私達が作った負を背負ってしまう】
心の闇と闘う毎日を過ごし生活破綻寸前まで追い込まれた時、私は息子を世代間連鎖の被害者にはさせまいと、負の連鎖をここで終わらせる決意をしました。
どんなことでもいいから参考になるものがないかと、本屋に行っては子育て本を読み漁りましたが、私達のような家庭のための本なんてどこにもなく、あるのはお金を使って作り上げていく当たり前の方法です。
当時は現代のような無数の情報が蓄積されてはいなかったので、インターネットで検索しても望むような手掛かりは見つかりません。
世の中には数えきれないほどたくさんの本があるのに、たった一家族を救ってくれる本もない。
誰かの手を借りたくて助けを求めてるわけじゃない。
ただ私達家族が立ち向かっていけるよう、希望になる何かが欲しかっただけ。
それでも目の前に佇む巨大な本棚は、
まるで
「あなた達のような家庭が求める本は存在しない」
と、その扉に鍵をかけ諭しているように見えた……
この子には私とは違う人生を歩いてほしいと心から願う。
選択肢を増やせるように可能性を広げてあげたい。
どんなことをしてでも生きる道を与えてあげたい。
決して置かれている環境を言い訳にはしない。
そう決心すると【身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ】を実行していきます。
そして、その核となるものは、私が幼い頃から求め続けた
【理想の父親】
に自分自身がなることでした。
経済格差で広がる学力は【思考】で埋めればいい。
考えろ! そして利用しろ!
親子で道を切り拓いていけ!
息子を救いたい一心で、ここまでやってきました。
そして、一緒に歩いてきた18年間は2024年の大学受験で終わりを迎えます。
これは、そんな家族が紡ぐ絆の物語です。