そんな家庭に生まれた子どもが2024年東大受験に塾なしで挑みました。
結果は不合格となりましたが、宅浪で2025年の東大合格を目指します。
そんな親子の体験談です。
得点開示
4月1日、ようやく東大の得点開示があった。
せめて合格発表から1週間ほどで開示してくれれば、不合格だった受験生達も自分の得点を見て滑り止めの大学に進むか、浪人するかの判断ができたと思うのだが、この時期ではもう遅い。
ウチは不合格なら浪人と決めていたので問題なかったが、合格か、不合格かの事実だけで今後進むべき道を決めなければいけない。
そんな悩ましい受験生も多かったんじゃないかと思う。
合格発表よりも気楽に得点開示を見ると、まず予想通り合格最低点と合格平均点はおおよそ当たっていた。
私の予想が、合格者平均点【345~355】合格者最低点【315~325】に対し、実際の合格者平均点【355.5756】合格者最低点【326.2444】だったことからも、前年プラス10点辺りで落ち着くという読みはほとんど当たっていた。
感触と開示の差
そして息子の得点を見ていくと、感触の点数化の誤算に気付いた。
当然、感触がそのまま点数になるかと言えばそんな簡単な話ではないが、感触が点数に結び付くのも事実。
実際、感触が悪ければ点数も悪く、良ければ点数も良いことが多い。
感触の点数と実際の点数を下の表にまとめてみた。
国語、英語、化学は大体当たっていたが、数学と物理に違いがある。
先に物理を見ていくと、やはり”下駄”があったのだと思う。
試験終了後、息子は物理の感触(化学も)がすこぶる悪く、20点も取れていないと言っていた。
さすがに本人の感覚でそう言っているのだから、間違っても高得点にはならないはずが、予想より12点も多い30点になるというのは考えづらい。
これは模試を通しても経験がないことで、想像よりも多く点がもらえたというのは配点を変えた可能性が高い。
多くの予備校などで、物理は昨年より易化し、設定が読みやすくなった……と言われていたが、それは昨年との比で、難易度は依然として高く、多くの受験生達が苦戦したのは間違いないだろう。
このようなことから物理の下駄があったと推測し、残る数学が感触通りであれば、合計【330.8778】となり合格だったわけだが、ここで思っていたほど数学の点数が入っていなかった。
これは東大の採点者が付けたものなので、全て納得しているのだが、果たしてこの数学の誤差は何故生まれたのか?
本人の感触では半分くらい取れたと感じていることから、問題の難易度による点数の開きとは考えづらく、単純に解けた解けないだけではない判断がされている。
解けていると思っているものが点として”評価されていない”。
と考えると、原因は一つしかない。
論述のプロの採点
”記述力”だ……
二次試験終了後から約2週間かけて論述のプロ達が採点するのだから、記述答案の出来不出来は一目瞭然だろう。
それが点となって評価されるわけだから、この50点というのは必要な要素の抜けや、言葉と式が足りなかったことにより減点があった(点にならなかった)というのが自然な考え方だろう。
端的に言えば、”東大が求めるレベルの記述式答案の書き方を知らない”のだ。
東大の難易度に慣れることや、試験時間の対策などに重きを置いてきた。
記述の部分は常に気を掛けてはいたが、実際に記述式答案の書き方に特化したことはできていなかった。
学校の先生に添削はお願いしていたが、息子自身が記述式答案は”こう書く”というベースを分かっていなければ、添削だけで著しい成長を見込むことはできない。
東大の数学は、問題が解けるだけでなく、書く力も求められる。
自分の考えを論理立てて書いていく記述力が重要で、数学という教科の性質上それは一つのミスも許されない。
数学に関しては、1問1~2行の問題文に対し、A3サイズの解答用紙が2枚渡されるだけ。
そこはまっさらで何も書かれておらず、
「はい、あなたの解き方を教えてくださいね」
としか言われない。
全て自分の言葉と式で方針を立て答えていく必要があり、必ず入れなければいけない言葉や要素などを的確に用いて、解を導いていかなければならない。
採点者はそういった論述を見るプロなのだ。
そのプロが見て、点がもらえる(減点されない)答案を息子は書けていない可能性が高い。
今後の対策
大きく2つの力を強化していかなければならない。
それは各科目の分野ごとの底上げと記述力の強化だ。
今更何を言っても言い訳になってしまうが、必要とされる科目数の多さとその難易度が高すぎるため、全てにおいて時間を取られてしまった。
実際に、東大本番レベル模試最終の記事でも言っていたが、間に合うか、間に合わないかではなく、間に合わせるしかなかった。
その間に合わせるという言葉も、合格最低ラインに乗せるのがやっとで、余裕など全くなかった。
当落線上に乗せることしか、正直できなかった……
しかし、この経験で多くを学び力を付けてきたのも事実で、合格のために必要な要素(足りない部分)が分かったのも事実だ。
来年の本番で、プロの目から見て文句ない点数となるように日々勉強していくしかない……
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